Lk13,31-35

 ヘロデにイエス殺害の意志はない。ファリサイ派が自分達の宗教的秩序を乱すイエスを追い出したいがために、脅しとしてヘロデの名前を使う。イエスのかつての師ヨハネを殺害したのがヘロデだったからである。しかしイエスにそのような脅しは通用しない。活動をやめる気がないことをヘロデに伝えるよう、逆に突き付けられる。その活動とは実際は当のファリサイ派にとって不愉快な癒しのわざだったのだ。しかし、イエスの当面の目的は上京である。イエス預言者としての使命を果たすためにエルサレムを目指すのである。そこで、エルサレムに対する預言的な言葉がこのアポフテグマと結びつけられたのである。