モールトン−ゲーデン
amazon.comのマーケットプレイスで注文していたコンコルダンスが届いた。送料込みで80ドル足らず。amazon.co.jpで買うより5千円ほど安いか。しかし、注文した直後にamazon.co.ukのマーケットプレイスで更に安いものを見つけてしまった。やはりイギリスで出版されているものはイギリスのサイトで探すべきだった。でもまあ、注文して3週間もせずに届いたので良しとしよう。
新約原典のコンコルダンスはいくつかあるが、完全版はこれ。
Vollstandige Konkordanz Zum Griechischen Neuen Testament | |
K. Aland Walter De Gruyter Inc 1978-12-31 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
kaiや冠詞も全て載っているし、ちゃんと1節載せてくれている。また、例えばIesusという単語を調べると、Xristosという単語と共に使われているもの、kuriosという単語と共に使われているもの、などに印をつけて一目でわかるようにしてくれている。これはかなり便利。しかし、大きくて2分冊で扱いにくいし、値段が。。。
もっとも、値段を考えるのならこちらは更に手が出ない。
Synoptic Concordance: A Greek Concordance to the First Three Gospels in Synoptic Arrangement, Statistically Evaluated, Including Orrurrences in Acts (Synoptic Corcordance) | |
Paul Hoffmann Thomas Hieke Ulrich Bauer Walter De Gruyter Inc 1999-06 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
1巻でこのお値段で、これが4巻もある。これはシノプシスとコンコルダンスを合体させたユニークなもので、当然コンコルダンスと言っても共観福音書、それに参考に使徒行伝も加えてあるが、それだけしかないので、他の文書に関して知りたい場合は使えない。しかし、共観福音書研究には極めて有用。他の語との組み合わせての使用情報も充実している。しかしこれも、大きくて4巻まであるので扱いにくい。
限られた用途といえば、以前こんなのを買ったことがある。
The Book Study Concordance of the Greek New Testament | |
Andreas Kostenberger Raymond Bouchoc Broadman & Holman Pub 2003-05-01 おすすめ平均 新約原典を読む楽しみが増えます ギリシア語で聖書を読む際に必携 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これはレビューに書いたような使い方ができるかもしれないが、やはり新約全体でどのように使われているかがどうしても知りたくなるし、普通のコンコルダンスがあればどの文書でどのくらい使われているかもちゃんとわかるので、いまいち使い勝手が悪い。これだけの値段してこの程度しか使えないのであれば、今では星2〜3くらいの評価。
てなわけで、普通のコンコルダンスが必要となる。
Concordance to the Novum Testamentum Graece, of Nestle-Aland, 26th Edition, and to the Greek New Testament, 3rd Edition/Konkordanz Zum Novum Testamen | |
H. Bachmann W.A. Slaby Walter De Gruyter Inc 1988-01-01 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これは上記の完全版の縮約版。縮約版と言っても、完全版に載っていたコンコルダンス以外の情報を削り、レイアウトを変えて凝縮したのであって、コンコルダンス部分はちゃんと一節まるごと載っている。しかし、単語ごとの特徴的な使用につけていたマークを外したのは残念。1冊に収まっているのは使いやすいが、これでもまだ大きくて重い。加えて、現在入手困難。
で、今回買ったのがこちら。
Moulton and Geden: Concordance to the Greek New Testament | |
I. Howard Marshall T&T Clark Ltd 2002-07-01 売り上げランキング : 365,805 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
1冊にまとまっており、大きさも手頃。値段もまあなんとか。特徴的な使用に印をつけているのも便利。旧約の引用箇所はヘブライ語も並記されている。最近の改訂でテクストもネストレ27版になったので、上記のアーラントグループのものよりも校訂本の情報という点でも上回る。以上が主な利点だが、欠点としては、節全体が載せられていないことが挙げられる。その単語がどのような文脈で使われているかということは非常に重要なので、せめて一節全体を載せてくれないと、ネストレに手を伸ばす回数が増えてしまう。とは言うものの、まだギリシャ語をすらすら読める実力を持ち合わせていないので、この欠点よりもいくつもの利点が上回ったというわけ。
なお、ここに挙げたコンコルダンスは全て図書室にあります(金持ち図書館!)。モールトン−ゲーデンは100年近く昔の古い版しかなかったけど、リクエストして今では新しい版もちゃんと入っています。ただ、5時に閉められてしまって十分に使えないので、自分で持つ必要もあったということです。もうちょっと長く開けてくれないんだろうか。。。それか、院生研究室にもキッテルやRGGといった辞典やコンコルダンスなどのような基本的な道具を置いてくれるとか。