ThLZ、JBL

 Theologische LiteraturzeitungとJournal of Biblical Literatureの最新号が図書室に届いています。
 JBLの方で目に留ったのは、
"Must the Greek text always be preferred? Versional and Patristic witnesses to the text of Matthew 4:16" Robert F. Shedinger
という論文。最初、"preferred"が"referred"に見えて、ギリシャ語テキストを見なくても新約学論文が書けるような裏技でも書いてあるのかしらん、と思ってパラパラ眺めてみると、全然違った。副題にあるように、マタイ4,16にあるイザヤ書の引用が七十人訳ともマソラ本文とも一致しない問題は、ギリシャ語以外の古代訳や教父の引用を調べることで解決されるというもので、正文批判において古代訳や教父の引用をもっと重視すべきだ、と主張する誠に真面目な論文だった。当たり前か。