2-4受動態
- 受動態
- 本動詞の過去分詞+受動の助動詞(werdenだと動作受動、seinだと状態受動)。
- 事柄の把握の仕方に関する動詞の文法範疇のことを「態」と言う。どちらの視点から捉えるか、ということ。
- 動作受動
- 「過去分詞+werden」。この組み合わせを、受動の不定詞、と呼ぶ。
- 時制と人称変化はwerdenを変化させる。完了時制の場合、werdenの過去分詞はgewordenでなくworden。
- 受動文の語順は、定形の位置以外日本語と同一。
- 非人称受動
- 4格目的語を持たない動詞の場合、主語のない受動文が形成される。Hier wird getanzt.<ここでダンスがある>
- 非人称のesは「穴埋め」のためのものであり、主語として捉えるべきでない。ドイツ語では自動詞も受動形を作るのだ!
- 主語を伴わないので、定動詞は3人称単数の形になる。
- 4格目的語を持たない動詞の場合、主語のない受動文が形成される。Hier wird getanzt.<ここでダンスがある>
- 表現機能
- 動作受動は、動作主が不明あるいは動作主を表したくない場合、事象そのものを動作主に関連づけることなく述べる場合に用いられる。
- 非人称受動も同様。行為のみを際立たせて出来事として表現する。使用頻度は少なく、受動文全体の1割以下。
- 動作受動の制限規則
- 人称受動文を作ることができないのは、受動的な行為を表す動詞(所有関係、無意志動詞など)、4格名詞が内容物、量、金額などを表す動詞の場合である。
- Er besitzt ein Haus.<家を所有している>
- Er bekam einen Brief.<手紙を受け取った>
- Frisches Obst enthaelt Vitamine.<新鮮な果物はビタミンが豊富だ>
- 非人称受動文を作ることができないのは、行為性の乏しい変化動詞、状態動詞、移動動詞の場合である。但し、命令文にしたり、適当な修飾語句や話法の助動詞を付加することで作れることもある。
- Er
starb gestern.<昨日死んだ> - An der Haltestelle stand man lange.<停留所に人が長いこと立っていた>
- Er kommt nach Muenchen.<ミュンヘンに来る>
- Er
- 人称受動文を作ることができないのは、受動的な行為を表す動詞(所有関係、無意志動詞など)、4格名詞が内容物、量、金額などを表す動詞の場合である。
- 動作受動文の動作主表示
- 動作主の表示には、原則的に人(動作主)の場合はvonが、行為性の感じられない事物(原因・手段)の場合はdurchが主に用いられる。行為性が感じられる場合はvonが用いられる。Er wurde von einer Kugel getroffen.<銃弾に当った>
- 非人称受動文の動作主表示はほとんどありえず、特に固有名詞は表示することは全く不可能。
- bekommen受動
- 「過去分詞+bekommen (kriegen / erhalten)」。人を表す3格目的語を持つ動詞の場合。3格目的語を主語にする一種の受動表現。
- Er hat eine Krawatte geschenkt bekommen.<ネクタイを贈られた>
- 「過去分詞+bekommen (kriegen / erhalten)」。人を表す3格目的語を持つ動詞の場合。3格目的語を主語にする一種の受動表現。
- 動作受動文に準ずる表現。表現形式は能動文であるが、事柄の捉え方において受動文に準ずるもの。
- 状態受動。行為そのものが背後に隠れているためふつう動作主は表示されない。
- 未来・完了時制はまれにしか用いられない。
- 状態受動の過去分詞は一種の形容詞とみなすことも可能。
- Die Tuer ist geoeffnet.<ドアは開かれている>[状態受動]
- Die Tuer ist offen.<ドアは開いている>[述語形容詞]
- 原則的に動作受動が可能な動詞からのみ、中でも、4格目的語に継続的な(残存する)結果的状態を可能にするような強うい作用を表すような他動詞から作られる。
- Das Geschaeft ist geschlossen.<店は閉められている>