最後のクラス

午後の授業は図書館であるというので、2階の奥の食堂で昼食を済ませた後、また生協に行ってヨーグルトを買い、図書館に向かった。入り口で、授業があるから鞄を持って入っていいか、と訊ねたら、しぶしぶオッケーを出してくれた。ところが今度は3階のメディア室に入るところで止められて、先生に許可されたと説明したら、先生が来るまで待てと言われた。困ったもんだ。
 授業が始まるまでの時間、クラスメイトのいいところ悪いところ三つずつを書く宿題をやった。三つ書くだけでもなかなか難しいもんだ。ちゃんとクラスメイトのことを見ていないのだろう。
 授業は、普段は通れない通路を通る1階の非常に整備された部屋で行われた。特別にそこにしかない設備を使うわけでもなかったので、最後のクラスということでプアン・マズナがはからってくれたのだろうか。初めに、最初の授業に書かされた「ミラー・ミラー」を返してくれた。自分が自分のよいところ、悪いところをどのように考えているか、三つずつリストアップしたものだ。それぞれのミラー・ミラーが返された後、今度はクラスメイトはそれぞれのことをどのように考えているか、ということで、宿題として書いてきたものが発表された。クラスメイトのぼくに対する評価は、良いものとしては、冷静、親切、頭が切れる、謙虚、活動的、パソコンなどの機械類に強い、英語が上手、興味あることに取り組む積極性、といったものだった。悪いものとしては、恥ずかしがり屋、静か、外面がいい、理解しがたい、といったものであった。どんなことが書かれていても、プアン・マズナのコメントは常に適切で、我々を励ますものであった。良き先生に出会えたことを嬉しく思う。
 最後に、プアン・マズナから絵葉書やキーホルダーをいただいた。一つ一つにメッセージを添えて、一人一人に手渡してくれた。昨晩フェスタで会ったのは、我々へのキーホルダーを買いに行って下さっていたからなのであった。一人一人に違った言葉の書かれた絵葉書ももらったのだが、ぼくがもらったのには「My Great Concern Is Not Whether God Is On Our Side, My Great Concern Is To Be On God's Side.」と書かれていた。あなたにはもっと真実を追究して欲しいから、という言葉を添えて。ムスリムになってくれたらいいのに、とも言われた。授業が終わってからみんなで写真を撮った。その後、プアン・マズナがぼくの写真の続きを見たいと言ってくれた。前に、また次の機会に続きを見せてくれ、とおっしゃった言葉を忘れておられなかったのだ。そうした細やかな気遣いが、いつまでも古い生徒がプアン・マズナのところを訊ねてくる理由になっているのだろう。最後の授業がプアン・マズナの授業で嬉しかった。