図書室に購入依頼していた本のいくつかが届いた。
isbn:0310542103
Basics of Biblical Greek (BBG;
isbn:0310598001) 、 The Morphology of Biblical Greek (MBG;
isbn:0310410401)とほぼ同時に出されたW. D. Mounceの三部作のひとつ。とにかく
新約聖書の
ギリシャ語だけが読めるようになればいい、という向きには非常に有効な文法書と辞書。アナリティカルなので、新約に登場する変化形が全て載っている。なので、著者自身も最初に注意書きしているが、下手に使うと
ギリシャ語の力がまるでつけられなくなってしまう。確認のために使うか、ある程度しっかり勉強して他のことに時間を割きたい人が手っ取り早く
ギリシャ語の訳語を知るのに使うか。訳語、と書いたのは、意味や語源が書かれているのではなく、英訳聖書(多分NIV)の訳語を並べただけに近いから。たとえばこのページのagathosなんかを参照(
http://www.amazon.com/gp/reader/0310542103/ref=sib_rdr_next2_ex2/002-5413395-5210420?%5Fencoding=UTF8&p=S005&j=1&ns=1#reader-page)。見出し語には訳語の他に、G/Kナンバーと語形標識がつけられている。G/KナンバーというのがThe NIV Exhaustive Concordance(もちろんZondervan出版)で導入されたGoodrick-Kohlenberger numberだということをこの度知った。Strong's numberがKJVをベースにしていたのを、NIVをベースにして番号を振り直したもののようだ。なのでStrong's numberで漏れていたものも含んでいるだろうが、この方式がどれだけ普及しているか知らない。語形標識はこの著者の“売り”の部分で、辞書自体にも説明のページがあるが、詳しくはMBGを見ることになる。MBGがよくわからない場合は、BBGで勉強することになる。この二書でMounceの分類に慣れている人には役立つが、そうでない人にはかなり戸惑うことになるだろう。この語形標識を導入したところにこの辞書の特徴があるんだろうが、文法書の方と併用しないと利用価値は低いように思う。もちろん、変化形のもとの形を手っ取り早く知るためだけにも使えるが。変化形には、その形で新約に何回登場するか(一回の場合は該当箇所)、語形標識、G/Kナンバーが付されている。どうせなら見出し語にその語の登場回数をつけてくれたら良かったのに。リク
エストしておきながらなんだが、使う機会は少なさそう。文法書の方は一読の価値あり。
isbn:0310237602
上記BBGの
ヘブライ語版。冊数の関係でまだこの一冊しか借りてない。ざっと眺めただけだが、それほど目新しさは感じない。説明は丁寧に書かれているので、独習には適しているだろう。最終章ではBHSへのイントロまである。付録のCD-ROMには、カラーの変化表やフラッシュカードなどが入っているようだ。
isbn:0310237017
上の本の問題集。こういうのまで用意しちゃうんだから、なんというか。