共観福音書伝承史

 ご存知ブルトマンの様式史研究の金字塔。レポートでアポフテグマについて書くために読み始めたのだが、非常に面白くてびっくりしている。以前にも読もうとしてそのあまりに専門的な内容に投げ出してしまった憶えがあるのだが、少しなりとも福音書研究史について勉強した今になって読めば、冒頭の「課題と方法」など本書前後の研究史の流れについての非常にわかりやすいまとめになっている。そもそもアポフテグマなんてようわからん言葉を使いやがってと敬遠していた節があったのだが、加山さんの「言葉と物語」の「境界線上」という説明ですっかりわかってしまった。「境界線上」なんだから、それだけで色々と問題が出てくる。それをどう処理していくか。加山さんの論文もブルトマンがベースになっているんで、ブルトマンのこの本もしっかり読んでみなければ。