VGTとHow Biblical Languages Work

9月29日id:lonestar:20040929の日記に書いた2冊の本が手元に届いた。新しい本の匂いはたまらない。

Vocabulary of the Greek Testament

Vocabulary of the Greek Testament

まず、VGTについて。1930年に出た古い辞書だが、1997年にHendricksonという出版社からリプリントが出版された。それだけ使われ続けている辞書ということなんだろう。新約外のコイネーテキストでの用例が数多く引用されている点がこの辞書の最大の特徴である。バウアーにも、どんなパピルスにその単語が出てくるかが書いてあったりするが、文の引用まではほとんどなされていないのでは。リプリントなので、当然中身は昔のものと同じである。ただ、巻末にWallaceという人による聖書の引用箇所のインデックスがつけられている。本文中に言及されている聖書の箇所を全てリストアップし、それが関係している引用文に英訳が付されていればアスタリスク(*)がつけられている。部分的に訳されているなど、アスタリスクをつけるほどではないものにはダガー(†)がつけられている。このインデックスがどれほど役立つかはまだ不明。インデックス自体は役立つとしても、アスタリスクダガーはどうだろう?

How Biblical Languages Work: A Student's Guide to Learning Hebrew and Greek

How Biblical Languages Work: A Student's Guide to Learning Hebrew and Greek

こちらは、聖書ギリシャ語、ヘブライ語1年生向けの本なんで、今更こんなのを読んでても、って気がしないでもないけど、ま、何かヒントが得られればな、と。そもそもギリシャ語、ヘブライ語以前の問題として、文法の基礎知識を持ち合わせない学生が多く、そのせいで学生も先生も苦労しているのだから、言語一般の事実を説明してから、それを聖書の言語に当てはめていきましょう、という趣旨の本。参考URLなんかが各章の最後に載せられているのが、いかにも今年出たばかりの本、といった感じ。