ショック・・・

午後はまたプアン・マズナの授業。自分の能力にどういったものがあるかをリストアップした後、キャンプに行って遭難する文章を読まされ、遭難した時に自分の能力がどう役立つかを話し合わされた。ぼくが書いたのはタイピングの能力だとかパソコンを扱う能力だとか自転車に乗る能力だとかでちっともサバイバルに役立ちそうになかったが、プアン・マズナは、どんな能力でも役に立たないことはないことを教えてくれた。
 授業の後、先生の部屋でビデオテープを確かめて、橘高さんの三脚を最後にいつ使ったかを調べた。コブラと思って撮影した動画も見せたが、塩崎さんによればそれは大トカゲだそうだ。
 図書館に行き、ポケットのメモリーディスクを出そうとすると、ない。わざわざ部屋に大事な物を置きに帰ったのに、その時一緒にディスクまで置いてきてしまったのかな、馬鹿なことをしたもんだ、と思って、また元来た道を引き返して部屋に戻るも、そこにもない。教室に忘れたのかもしれないと思って、もう一度大学へ行くも、そこでも見つからない。先生の部屋にはないだろうと思いつつも、報告も兼ねて先生の部屋を訪ねる。部屋にいた塩崎さんも同じようなディスクを持っており、これを無くしたら私は泣きます、なんてことを言うのを聞いて、徐々に無くした悔しさがこみ上げてきた。もう一度教室を見て見つからず、後は可能性として一番高いのが、昼に図書館に行った時に外し忘れたということなので、もう一度図書館に行って探したが、自分がその時どのPCを使ったかも思い出せなかった。手当り次第に探したが見つからず、カウンターの人にも聞いてみたが、見てないとのことだった。もしかして部屋の探し方が足りなかったのかもしれないと思って部屋に戻って探したが、無駄だった。結局寮と大学を三往復もしてしまった。部屋を出る時に先生から、あまり気を落とさないで下さい、と言われた言葉が却って気を落とす引き金になってしまった。気を落としてばかりもいられないので、無防備に入れていたパスワードのメモを悪用されないように、パソコンに残していたファイルからパスワードのリストをメモ帳に写し、寮内のインターネットカフェを探しに部屋を出た。しばらく歩き回っても見つからないので人に尋ねてみると、すぐに教えてくれた。そこに行ってみると部屋は閑散としており、パソコンは1台がゲームに使われているだけだった。誰が係の人かわからないままにそこにいた一人にインターネットを使いたい旨伝えると、今日は大学全体がネットが使えない状態なんだそうだ。ぼくもすぐに手を打てない代わりに、ディスクを手に入れた人が悪さをしようとしても、学内ではすぐにはできないわけで、少し安心と言えば安心だ。しかし、危険であることに変わりないので、明日一番に手を打たなければならない。