電話

 朝っぱらから電話が鳴った。誰かと思えば姉貴からである。電話に出るが、何も言ってこない。しばらくそのままにしていると、言葉にならない声が聞こえてくる。電話口にいるのは姪っ子だ。叩き起こされたのも忘れてすっかり嬉しくなる。しかし、そのまま話そうにも、悲しいかな、相手はまだ1歳にならない。事情が掴めないので一旦電話を切り、こちらからかけ直す。案の定姉貴は何も気付いておらず、姪っ子のいたずらだったことがわかる。そうかそうか、久しぶりにおじさんの声が聞きたくなったんだな。かわいいもんだ。誕生日には何をあげようかな。