福音と世界の田川記事

 雑誌『福音と世界』に田川先生が寄せた文章は全部で6つあるようです。それを全部コピーして読んでいるところです。古いものから順に、
1965年7月号 「フランスの新約学界」
1965年10月号 「福音書研究の新しい方向 コンツェルマン『時の中心』のはらむ問題」
1969年8月号 「討論 キリスト教大学の可能性と限界」「キリスト教主義大学解体論批判」
1969年10月号 「学生からの波紋」
1969年12月号 「イエスとの関わり」
1971年9月号 「イエスの死」

「フランスの〜」は、日本でなかなか紹介されないフランス語圏のプロテスタントカトリックの新約研究の状況を包括的に紹介しておられる。弱冠30歳!の時のもの。
福音書研究の〜」は、『時の中心』の翻訳が発売される直前に書かれたもの。僅か6ページで、編集史という方法が登場した論理的必然性、編集史研究の素材と方法、コンツェルマンの貢献、そして彼の著作の及ぼす影響とが非常に明解に解説されている。
「イエスの死」は、「神学セミナー」なるものでの発表が文章化されたもの。マルコ15章をもとにイエスの死について語れという要請に対し、イエスの生を抜きにしてその死を語ることができないことをマルコ研究をもとに熱く語っておられる。