屋台で夕食

一行揃ってダイナスティホテルに着くと、RISEAPの木村さんが迎えてくださった。来年でマレーシアに住んで10年になるという。荷物をほどいた後は皆で揃って近くの屋台へ。塩崎さんや木村さんがいなかったら注文もできなかったかもしれない。みんなの視線が我々に向けられているような気がして少し怖かった。ぼくは焼きそばを頼んでもらった。味は濃かったが、辛くはない。おいしくいただいた。ふと気づいたら、すぐ横で女性が手を出してお辞儀を繰り返している。随分とそうしていたみたいだ。手を向けられている山根さんは困りきった顔をしていたが、それに気づいたぼくもどうすることもできない。頼みの二人は中田先生との話に夢中で気づいていないよう。隣にいる塩崎さんにこっそり、こんな時はどうしたらいいんですか、と訊いてみたら、お金をあげたらどっか行きますよ、あげなくてもそのうちどっかに行きますよ、とそっけなく答えただけでまた話に戻ってしまった。オタオタしている我々に見かねた中田先生が、紙幣を回して下さった。そうしてその女性は去ったのだが、しばらくすると別の男性が手を出しながら我々のテーブルの横をうろうろし始めた。これまた中田先生がうるさそうに後ろ手でお金を渡して立ち去らせた。なかなか冷たいもんだなあと思ったが、日本で物乞いを見ても知らん振りをして通り過ぎるんだから、同じことだ。